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故郷の友人が亡くなったので、葬儀に出てきた…。

今回の事を、何かに残しておこうと思い日記にしたためる…。

+ + + + + + + + + +
10月10日…
朝から妙に良くないことが続いていた。
自転車の籠にバックの金具が絡まったり、会社に良くない知らせが舞い込んだり
何時もと違う、不吉な空気があったように思う…。

今日は、何か気が滅入る事が重なるという話を、会社の同僚としていた矢先、
実家からの電話で、親友Tの悲報を知る…。

冗談の様な知らせに、電話の内容を何度も確認した…。

今朝、親友Tが亡くなった…。 

今朝って…数時間前じゃないか…。

親友Tとは、幼稚園から高校まで同じ学校だった。
人数の多くない学区だったので、クラスも変わらず自然と悪ガキ仲間
みたいなグループになっていた。

親友Tと私、そして親友Mの3人で、よく騒ぎ回っていたと思う。

小学校6年の頃は、悪ガキグループで自習を抜け出して
勝手にプールに泳ぎに行ったのがバレて、先先に泣きながら
ビンタ食らった事もあった…。

中学時代は部活のテニスでペアを組んでたから、
よく一緒につるんで出かけてた…。
不良漫画が全盛期だった頃で、改造制服や柄入り裏ボタンなど、
不良アイテムを色々買いに行ったり、部活の遠征で他校の
生徒に絡まれて揉め事起こしたりもした…。

中学の修学旅行では、粋がって悪さをして、盛大に怒られて、
日程の1日丸々つぶして、正座と説教をくらって酷い物だった。

中学卒業時に、これまでに割った学校のガラスの枚数で、
ワースト記録更新してた…。 

ほんとバカみたいに騒いで遊んでた…。
学生時代という密度の濃い時期を、一緒に過ごした親友だった。


高校卒業後、遠方に出た私は、地元の友人達とは疎遠だったが、
地元に帰ってきた時には、当時と変わらない空気で接してくれて、
一緒に呑んで、帰る時には「また来いよ!」と声をかけてくれていた。

何年会って無くても、関係は変わらないまま…ただお互いが少しずつ
歳を取って、守る物が増えて、大人になっていくのだろうと思っていた…。

だから

突然、親友Tが死んだと言われても、まったく現実味がなかった…。


10月11日…
地元に帰り、葬式に出る準備をする。
まだ、遺影も見ていないので、親友Tが死んだと言う事は半信半疑…
というより、悪い冗談の様な気持ちしかなかった…。

親友Mから電話を受けて、心筋梗塞で無くなったらしい事を聞き
私の知らなかった空白の数年間を知った…。

親友Tとは6~7年会ってなかった様に思う。
あいつが一度、結婚に失敗してから、お互いになんとなく会いづらくなった
というのが、大きい気がする…。

だから、再婚したことも知らなかった。
結婚式は親族だけでやったという事だから、田舎と言う事もあり、
周りの目を気にしたのだろう…。

そして親友Tは、いつの間にか父親になっていた…。

今年で1歳になる一人息子がいた…。

再婚して、子供が出来てから凄く頑張って働いてたらしい。
そして今年の春に、畜産農家の品評会で優秀賞を取り表彰されていた。

親友Tは中学の頃、親父を亡くしていたから、人一倍家の手伝いをしてた。
だから、働き者なのはしっている。

親友Mが、あいつ凄いんだぜ!すげぇ頑張ってたんだぜ!と教えてくれる。
親友Mは、私と違ってずっと地元であいつと一緒に過ごしてたから、
辛いことも、楽しいことも全部みていた。

なんだよ、もっと早く教えてくれれば良いだろう…。
こんな形じゃ、あいつにおめでとうも言えないじゃないか…。

自分の事を棚に上げて、そう思ってしまう…。
普段の生活に、遠方の友人の事を勘定に入れて生活はしない。
仕事を頑張ってる時はなおさらだ…。

会えるタイミングで逢って話せればそれでいい…幼なじみの友人とはそう言うものだ。


10月12日…
葬式にでると、昔なじみの同級生が何人も来ていた。
来てない面子も居るが、前日の通夜には出ていたらしい…。
平日の葬儀、しかも急な話でみんな簡単には仕事を抜けられないのだろう…。

ただ、もう10年近く逢ってなかった同級生でも、当時と何も変わらず話が出来る。
学生時代から会っていなかった所為で、関係性が当時のまま変わっていない事もあり
昔のあだ名で呼び合ってしまう…、妙に照れくさい…。


葬儀場に入り、親友Mの勧めで一番前の席に共に座る。
花に飾られた壇上に親友Tの遺影が飾ってある…。

親友Tが嬉しそうに笑ってる写真…。

子供が生まれ、今年の春に仕事のがんばりが認められ、表彰された時の写真だ。
あいつにとって、一番幸せだった瞬間の写真だろう…。

壇上に飾ってある他のスナップには、子供を抱えた親友Tの写真もあって、
昔の頃の童顔な顔(漫画のフクちゃんに似てるとからかってた)じゃなく、
父親然とした、男の顔になってた…。

すげぇな…、かっこいいよお前…。

独りごちて、素直に感心してしまう。


葬儀が始まり、ずっと遺影を見つめていた…。

私は、悲報を聞いてから、まだ1回も泣けていなかった…。
葬儀中、遺影を見つめながら「お前のために涙も出ないのか…」と自己嫌悪していた…。

親友Mが、友人代表で言葉を贈った。
贈った言葉の内容は、手紙にしたためて一緒に燃やして貰うのだが、
親友Mは何を書いて良いか解らなくなったから、気持ちで話すと言って壇上に向かった。

昔の頃の思い出から、私の知らない時期のこと、人となり…
涙で言葉が詰まりながらも、躊躇無く言葉を贈っていく親友M。

「お前と友達で、本当に良かった! ありがとう!!」

親友Mは、私の言いたかった事は全て言ってくれた。
親友Mにしか出来ない最高の贈る言葉だった…。


葬儀が終わり、出棺前に最後のお別れと、棺が開けられる。
みんな、手に華を持って棺に入れていく。

開けられた棺をのぞき込むと、眠ってるような綺麗な親友Tの顔があった。

花にうずまってるその顔が、昔と変わらない親友Tの顔で…

何も変わって無くて… 

死んでなくて…

ふと…

「なんだ、居るじゃないか…」

「なにやってんだそんなとこで…、花が似合う柄じゃないだろう…」

って、つぶやいて…


親友Tの名前を口にした時に…


棺桶に手をついて、号泣してしまった…。


「…返事しろよ…バカじゃないのかお前…」

「なに死んでんだよ…」


何かもう、訳がわからないくらい泣いて…


「おかしいだろ…何であんな所に寝てるんだあいつ…」

悪態つきながら号泣してる私の肩を、親友Mが抱いてくれて…

「そうだな…」

と言っていた…。


私のこれまでの人生の中で、一番泣いたと思う…。


親友Tの嫁さんが、最後まで棺のあいつに「起きてー、おきてよー」と
名前を呼びながら泣いていたのが、居た堪れなかった…。

嫁さんは親友Tが死んだ時、一番近くに居た。

朝起きて、もう少しといって二度寝する親友Tをそのまま寝かせて、
朝食の準備をしていたという。
そして、朝食を作っていたほんの小一時間の間に、親友Tの心臓は止まっていた。

元看護師だった嫁さんは、すぐに心臓マッサージをして蘇生を試みて
その手を休めることなく、救急車を呼んで-!と叫んでいたらしい…。


そんな状況だったせいか、嫁さんは色んな「もしも」を考えて
自分を責めた…。

もしあの時、二度寝させなければ…
もしあの時、少し早く起こしに行っていたら…

そんな嫁さんの自責を慰めるのに、当日は苦労したらしい…。



出棺の時、棺を持って霊柩車に運んだ。
結構重くて驚いたが「あいつ、写真見たら結構太ってたからなぁ…」と少しだけ笑えた。

霊柩車の後を追うように、友人の車に相乗りして火葬場へ

道中は、ひたすら思い出話。

悲しいというより、懐かしくて…、
ただただ懐かしくて…小学校から中学校の頃の話をする。

火葬場で、最後の別れ。

あいつが焼かれている間、心を落ち着けながら周囲を散歩してた…。

丘の上の葬儀場からは、秋晴れで綺麗な唐津の松原と海が見えた。


火葬が終わり、遺骨を見てからは、どうしようも無いという、
感覚に襲われた…。

死ではなく、居なくなったという実感…。

あいつの遺骨を運び、納骨する。


親友Tは、家族が一番、幸せな時期に逝ってしまった…。

女手一つで育ててくれた、母親よりも先に…
まだ1歳の息子と奥さんを残して…

親友Tは逝ってしまった…

これからどうする…

辛い現実が待っているのは、容易に想像は付く。
だが、同情したところで何も出来はしない…。

親友Tの代わりになれる奴は、誰も居ない…。


火葬場で、同級生達と別れを告げる。
みんなそれぞれ、自分たちの生活に帰っていく…。

失ったものは大きいが、それでも、今自分が支えている生活を
支え続けていくしかない…。


最後に親友Mに別れを告げる。

「元気で! 気をつけて帰れよ!」
「そっちこそ元気で!」

「死ぬなよ!」
「お前こそ、死ぬなよ!死に顔とか見たくないからな!」

「またな!」
「あぁ、また!」

交わした言葉は少なかったが…それでも、気持ちは十分伝わった。


帰りの新幹線…長い時間、電車に揺られて考える…。

親友Tが見せてくれた、人生の明と暗…、残された者の悲しみ…。

今日は、生きている事、生きていく事を考えさせられた一日だった…。


もう少しだけ…

丁寧に生きていこう…。


自然とそう思えた…。


ありがとう…
お前の先を生きていくよ…

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無題
こんな年代でこんな事件に遭うと、「今が折り返しかな」と考えることもあります。
mono 2012/10/13(Sat) 編集
Re:無題
>こんな年代でこんな事件に遭うと、「今が折り返しかな」と考えることもあります。

折り返したからといって、何も変わらないけどね。
 【2012/10/14】
無題
月並みなことしか言えませんが、お気を落とさずに。個人の分まで生き抜いてください。
永井伝導郎 2012/10/14(Sun) 編集
Re:無題
>月並みなことしか言えませんが、お気を落とさずに。個人の分まで生き抜いてください。

あいつの人生はあいつのものだし、故人の分までは烏滸がましくて…。
 【2012/10/14】
忘れてやらない事だけが残ったものだけができること
同じ経験は幾度もして、遺されていく私達が
出来るのは

忘れてやらない事。
語り継いでやる事。

自分の為でもあり、そしてこれだけが唯一
その人間を風化しないで、生きた証を証明
してやることだと思う。

私にしても、自分への自責の念が強いけど
それでも、そう思って生きてるよ。

だから、帰ることがあればどんな顔してとか
色々考えるだろうけど会いに行ってあげてね。
星住晴美 2012/11/10(Sat) 編集
Re:忘れてやらない事だけが残ったものだけができること
>同じ経験は幾度もして、遺されていく私達が
>出来るのは

これから、こういう機会が増えていくのかと思うと
残されていく自分は、どう生きていくべきかを考え
させられる…。

ただ、死を悼んでもらえるよな、生き方にはしたい。
 【2012/11/11】
FunFunのしっぽ
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